Nasal Drug Delivery

当社の経鼻投与基盤技術は、
独自の粉末製剤技術と
投与デバイス技術からなる
Combination Technologyです

Expertise in Nasal Delivery

3D Nasal Cast Model

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開発会社Satsuma Pharmaceuticals, Inc.の第三者増資割当増資に関するお知らせ ‐総額1,200万米ドルの資金調達で経鼻偏頭痛薬の開発を加速‐

当社が設立した米国開発子会社"Satsuma Pharmaceuticals, Inc.(カリフォルニア州、President & CEO:John Kollins、以下「Satsuma社」)"が、RA Capital Management, LLC(以下「RAC社」)1) 並びにTPG Biotechnology Partners V, L.P.(以下「TPG社」)2) を引受先とする、総額1,200万米ドルの第三者割当増資契約を締結したのでお知らせいたします。

 

当社は、トランスレーショナルリサーチ(TR)事業の一環として、当社独自の経鼻投与・製剤基盤技術(以下「本技術」)を応用した経鼻偏頭痛薬3) を開発するため、Satsuma社を本年6月、米国に設立しました。併せて当社は、市場規模が大きく患者アンメットニーズに合致した偏頭痛薬のジヒドロエルゴタミンについて、Satsuma社と本技術に関わるライセンス契約を締結しました。その後Satsuma社は、経鼻ジヒドロエルゴタミン(以下、「経鼻DHE」)の開発準備を行いながら、機関投資家と資金調達に関わる協議を進めておりました。

 

このたびSatsuma社は、当社の本技術及び開発の実績を高く評価し、患者ニーズに適合した吸収特性を有する経鼻DHEの市場性を有望視したRAC社並びにTPG社より、合計1,200万米ドルの資金調達に成功しました。Satsuma社は、この資金を基に早期に経鼻DHEの臨床試験を開始し、Proof-of-Concept(概念実証)の確認を行った後、幅広い出口戦略を構築します。当社は、経鼻DHEの早期商品化に向けて、受託サービスで全面的な支援を行いながら、株主及びライセンス元として経営及び技術支援を継続、強化してまいります。

 

当社社長の永田は次のように話しております。「すでに当社がTR事業の一環として創業し、現在は重要な投資先であるWave Life Sciences Ltd.4) の発展にならい、Satsuma社がそれに続くTR 事業の成功事例となるよう育成に注力してまいります。」

【備考】

1) RA Capital;医薬品、医療機器や診断装置などを開発しているヘルスケア・ライフサイエンス関連の会社に対して出資を行う、米国拠点のクロスオーバー・ファンド・マネジャーである。投資戦略は柔軟で、応変の出資やマネージメントチームの動員などを通じ、株式上場への先導やポートフォリオ会社の継続維持を図っている。

 

2) TPG Biotech;TPGグループ内でライフサイエンス関連ビジネス(治療薬、医療機器やヘルスケアサービス)への投資を担当する。TPG Biotechは経験が豊富な投資家、医師、科学者、技術・専門家で構築され、革新的な企業、及び起業家とパートナーシップを構築することで、新たなビジネスを創造する。12億米ドルの資産を有しており、2002年以降に、50件以上の投資を行った。

 

3) 経鼻偏頭痛薬;米国における偏頭痛患者は、全人口の10%に相当する約2,800万人おり、その偏頭痛薬市場は2011年の時点で約3,000億円にも及ぶとされている。本疾患は20 - 40歳代の比較的若い就労年齢層に多いことが特徴で、日常生活の中で不安の種となる頭痛に速効する薬剤の開発が強く望まれている。DHEは、第一選択薬であるトリプタン製剤が効かない患者にも有効であるが、市販のDHE 点鼻剤(水溶液)は、吸収速度が遅いために効果発現までに30 分ほどかかり、また薬剤吸収がバラつき易く確実な臨床効果が得られにくい。本技術を応用したDHE 経鼻偏頭痛薬は、速やかで高い吸収が可能になるため、市場ニーズへの合致が大きく期待される。

 

4) Wave Life Sciences Ltd.;昨年11 月NASDAQ 上場、本年5 月にPfizer 社と立体制御型核酸治療薬の共同開発に関し、最大で総額911 百万米ドル(約1,002 億円、110 円/米国ドル) + ロイヤリティのライセンス投資契約を締結した。