Nasal Drug Delivery

当社の経鼻投与基盤技術は、
独自の粉末製剤技術と
投与デバイス技術からなる
Combination Technologyです

Expertise in Nasal Delivery

3D Nasal Cast Model

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当社子会社SNLDによる第Ⅰ相臨床試験の第1例目投与実施(FIH)のお知らせ

当社100%子会社の株式会社SNLD1)(以下「SNLD社」)が開発を進めているパーキンソン病2)に対する経鼻レスキュー薬(開発コード: TR-012001)の国内第Ⅰ相臨床試験(以下「本試験」)において、第1例目の被験者に初回投与(FIH: First-in-Human)しましたので、お知らせいたします。

 

近年、高齢化が進み、日本だけでなく世界的にもパーキンソン病患者は増加の一途を辿っています。この疾患に対する根本的な治療法はなく、臨床現場においてはドパミン製剤等による対症療法が中心に行われていますが、パーキンソン病進行と共に発現頻度が増していくオフ症状3)は、日常生活を妨げ、QOL(Quality of Life)を著しく低下させると共にその家族、介護者にとって大きな負担となっています。現状では、オフ症状の発現を適切に管理できる治療選択肢は限られており、速やかに且つ簡便にオフ症状を改善できる治療が強く求められています。

 

SNLD社は、当社トランスレーショナルリサーチ(TR)事業部門において独自開発された粉体製剤技術と経鼻投与デバイスを組み合わせたプラットフォーム技術を導入し、パーキンソン病に伴うオフ症状を速やかに且つ簡便な方法で改善する医薬品を開発しています。本試験では、合計21例の健常人を対象にTR-012001の安全性、忍容性及び薬物動態の評価を行います。

 

尚、本情報のお問い合わせにつきましては、以下のPDFファイルをご覧ください。

当社子会社SNLDによる第Ⅰ相臨床試験の第1例目投与実施(FIH)のお知らせ(PDF)

 

1) SNLD社

SNLD社は、2020年10月に、パーキンソン病をはじめとする中枢神経疾患に対する経鼻レスキュー薬の臨床開発を目的に設立された当社の100%子会社です。中枢神経疾患における経鼻レスキュー薬は速効性や投与の簡便性などが期待でき、医療需要が非常に高いと考えられます。

 

2) パーキンソン病

1817年に英国のジェームズ・パーキンソン医師により発表された疾患で、黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性の難病です。4大症状として(1)安静時振戦(手足が震える)、(2)筋固縮(筋肉や関節が固くなる)、(3)無動・寡動(動きが鈍くなる)、(4)姿勢反射障害(転びやすくなる)を特徴とします。近年では運動症状のみならず、精神症状などの非運動症状も注目されています。国内での有病率は10万人あたり100~180人とされておりますが、高齢化に伴い患者数が増えることが予想されています。人口の高齢化により、患者数は2030年までには全世界で3,000万人になるとの試算もあります。

 

3) オフ症状

パーキンソン病の進行とともに、治療薬の薬効時間が短くなることにより、パーキンソン病の症状が頻繁に悪化する現象です。適切な薬物治療を行っていても治療が困難なパーキンソン病の症状であり、疾患の経過とともにその発現頻度や重症度が悪化し得る一方、発現の予測や管理が容易でなく、パーキンソン病患者の日常生活を妨げ、QOLを低下させる一因ともなっております。

(参考:パーキンソン病診療ガイドライン2018、日本神経学会HP等)